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July 16, 2005

中国の人件費

 日本企業が中国に進出する最大の要因は人件費の安さだろう。だから、いかに人件費を抑えるかを考えるのは当然だ。
 一方で、人材あるいは人財という考え方もある。いかに優秀な人材を確保し、長期間会社に貢献してもらうか、という課題である。中国人は定着率が悪い。人がどんどん辞めていく。あるいは、引き抜かれていく、という話も聞く。
 優秀な人材を集めるに、いかに高い給料を設定するかがポイントになる。日本企業は欧米企業に比べると給与水準が半分程度だという声もある。IT関連では、中国企業の方が日本企業よりも良い条件を提示するケースもあるとか。
 高い給料を支払えるということは、競争力が高いということだ。良い人材をよりよい条件で引き抜くことができるからだ。また、利益率が高いビジネスを展開していることの証でもある。日本で成立しなくなった薄利多売型ビジネスを中国で展開するという発想では、高い給料を設定できない。
 中国人は向上心が強い。勉強も熱心である。従って、勉強になるならと日本企業に就職する人間も多い。しかし、1年たってこれ以上勉強することがないと思えばさっさと辞めていくのだ。


 中国人は日本人よりも個人主義が強い。個人のキャリアアップという発想が強いという点では、むしろアメリカ人的でさえある。従って、給料だけでなく、昇進や管理職への道を中国人に開放しているかも会社を選ぶ大きな要因になる。それには中央集権的な組織ではなく、現場への権限委譲や実力主義に基づく柔軟な組織が求められるだろう。
 中国は企業のあり方を考える格好のモデルである。世界中の企業が集まり、古いタイプの企業と新しいタイプの企業が混在している。中国進出のタイミング、企業タイプによりそれぞれの理想像は異なっている。日本で人件費が高騰し、中国に進出した企業と、中国市場を攻略するために進出した企業では全く戦略が異なるはずだ。
 人件費の設定についてもその戦略によって異なるだろう。中国に進出することで、自社のシステムを変えなければならないケースも増えるだろう。自社の都合で、広大な中国を変えることはできない。変えるとしたら、自社のシステムである。

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