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July 22, 2005

国際展示会開催の機を逃した日本

 総合繊維見本市ジャパン・クリエーションの立ち上げから、約10年の月日が経った。当初は、アジアのプルミエールビジョンを目指すというビジョンがあった。しかし、輸入品の増大により、繊維セーフガード発動申請がなされ、国際展示会構想は頓挫した。
 スタート当時は、ヨーロッパからの出展申し込みが殺到していたが、5年も断り続けるとそれもなくなった。現在、繊維ファッションビジネスは中国を中心に回っている。同時に、アジアの有力なバイヤーは、直接欧米にバイイングに出掛けるようになっており、日本の存在は次第に軽くなっている。
 日本を重要視しているのは、欧米の一流ブランドだけであり、アジア諸国にとって日本市場はそれほど魅力的ではない。OEMメーカーにとって、日本は「短納期」「低コスト」「品質にうるさい」市場であり、儲からないという印象が強い。
 それでも現在まで、日本の展示会に出展するのは、日本の経済力は無視できないほど強く、今後の消費拡大を期待しているのである。しかし、それにも限界がある。日本で開催される展示会に海外企業が出展しても、ほとんど売上にはつながらない。近い将来、日本の展示会参加は見直されるだろう。

 また、日本の展示会には、中国バイヤーを呼べない。来日にはビザが必要であり、展示会の主催者や出展企業がビザを発行しなければならない。某靴展示会の主催者はビザ申請を積極的に行っているようだが、テキスタイル、アパレル製品の展示会関係者は自らそんな面倒な作業を行おうとする者はいないだろう。
 一方で、中国と香港は往復が自由になりつある。テキスタイルの仕入れも、香港を経由して行う中国アパレルが増えている。香港でスワッチ見本、着分を請求する。中国でコピー生産できるものは中国国内に発注する。それができなければ香港から仕入れる。その場合でも、原反は香港から中国の縫製工場まで直送される。
 近年、香港ファッションウイークは入場者数が増加している。その理由は、中国の出展者、中国人バイヤーが来場し、しかも英語で商談ができるからである。また、香港貿易発展局は積極的に(旅費負担をして)有力バイヤーを招聘している。
 日本でも、「補助金でバイヤーを呼べばいい」という意見があるが、補助金の性格上困難だ。勿論、出展企業がバイヤーの旅費を負担しようという発想もない。バイヤーが来たとしても、日本の業界関係者とコミュニケーションを深める場もない。言葉の壁もある。個人的な付き合いを重視する外国人にとって、日本の商売のスタイルはあまりにも素っ気ない。
 欧米人もアジアの中心は上海と認識し始めている。上海はアジアのコンベンション都市になるだろう。こういう状況が進む中でも、ジャパン・クリエーション実行委員会は「海外企業出展は時期尚早」と言い続けてきた。しかし、既に時期を逃してしまったことは明白である。これから国際化を目指しても成功は難しいだろう。
 日本の展示会に出展しても結局ビジネスにはならない。日本市場を狙うのであれば、欧米のブランド企業のように直接上陸することが望ましいのだ。
 日本のテキスタイル、アパレル企業の多くは、結局、ドメスティックなビジネスに終始するだろう。日本市場はそれを許すほどにスケールが大きい。したがって、無理に国際化することもないのだろう。国際的なビジネスを目指すものは、日本から脱出するに違いない。最近では、私自身も「それはそれで良いのではないか」と考えるようになっている。◆

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