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March 14, 2005

香港復権の兆し

 香港ファッションウイーク、ワールドブティック香港の視察ミッションに出かけた。今回の出張では香港復権を強く感じた。
 一時期、日本の業界は「香港の時代は終わった。これからは上海だ」とばかり、上海に集中した。しかし、上海に行ってみると「生産ロットは大きい」「企画力が弱い」「品質管理が難しい」「原料調達や物流に問題がある」等々のさまざまな課題に直面した。
 一方で、香港企業も変わった。工場のほとんどは中国大陸に移転した。香港はデザインセンター、マーケティングセンター、素材調達センター等の機能を整備した。上海との競争が激しくなった結果、価格も下がった。また、中国人観光客のおかげで、香港の観光産業も活気を取り戻した。

 昨年1月1日からは中国との間でCEPA(経済緊密化協定)が締結され、香港商品のゼロ関税が実現した。中国での法人設立も大幅に緩和した。香港企業は中国の経済成長と共に自らも成長するモデルを構築しつつある。
 3年前、ワールドブティック香港が初めて開催された。当時の日本のアパレル業界は輸出に関心がなく、ニット業界は対米輸出に熱中していた。商社は香港から上海への事務所移転を終えていた。誰も香港には関心を持っていなかったのだ。
 しかし、私は香港経由中国というパイプが大切だと考えた。アメリカやヨーロッパへの輸出よりも、中国をはじめとするアジア市場の方が成長性が高い。しかし、中国への直接参入は想像以上に難しいだろう。同じ中国人である、台湾華僑、香港華僑の人たちとネットワークを築き、香港や台湾経由経由で中国市場に参入した方が現実的だという判断である。実際に、台湾や香港のアパレル企業は数多く中国市場に参入している。こうした業界人と人脈を築くことが将来につながるに違いない。
 そして、香港貿易発展局に有限会社シナジープランニングと共催という形で視察ミッションを持ちかけた。そうして香港貿易発展とのお付き合いが始まった。二年目からは香港貿易発展局の主催ミッションになったが、私はミッションリーダーとして同行が認められるようになった。今年で三年目。香港にも知人が増えた。今では皆が握手で迎えてくれる。
 去年あたりから、香港経由の中国ビジネスに関するセミナーに人が集まるようになった。300人、400人という申し込みがあるという。一昨年には考えられないことだ。また、今年の香港ファッションウイークには日本からの来場者が増えた。去年までと内容は変わっていないのだが、日本人の関心は高まっている。
 ビジネスは人と人とのつながりが大切だ。信頼できる相手でなければビジネスはできない。工賃が安いからといって、次々と生産地を変えるのでは信頼は生まれない。大手商社ならば、ノルマが厳しく、やむを得ず生産地を変えることもあるだろう。しかし、中小零細企業までもが大手商社の真似をして、次々と商売相手を変えることは正しいのだろうか。コスト追求は確かに大切だが、じっくりと人間関係を築くことも大切だと思う。
 ある中国人は「付き合い初めてから5年は様子を見る。そして、本当に信頼できる相手だと思ったら、初めて商売の話をする」と語っていた。私と香港の人たちとはようやく3年。あと2年は信頼関係の確認に費やされるだろう。その次が楽しみだ。◆

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