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March 14, 2005

土地本位制からの脱却を目指せ

 戦後の何もない時代にビジネスを始めようとすれば、土地を担保に銀行から借り入れをして、それを元手にするしかなかった。株式を発行しても、株を購入する投資家がいなかったのである。そうして、ビジネスの土地本位制が出来上がった。国土の狭い日本では土地は上がり続けると信じられ、どんなビジネスも最終的に土地に集約した。土地を買えば、その値上がりとともに担保価値が上がり、さらなる借り入れを起こして新たな土地を購入する。地価が上がり続ける限り、土地を購入する資金を持つ物が確実に富を増やせたのである。
 しかし、現在は投資や運用に回る資金が大量に存在する。ビジネスの将来性さえ訴求できれば資金は集まる。資金を集めて起業し、上場できれば多額のキャピタルゲインを手にすることができる。その資金を元でに更なる将来性のある企業を買収し、上場を目指す。その繰り返しにより、莫大な時価総額の株式とキャッシュを手に入れる。
 地価が下落している現在では、土地への投資も一部に過ぎない。更なる有利な投資案件があれば、資金はそこに集中するのだ。

 20世紀の日本の企業家たちは最終的に土地を転がすノウハウを身につけて成功した。21世紀の企業家は、市場から資金を調達するノウハウを身につけて成功している。このノウハウこそ、勝ち組と負け組を分けるものであり、業種がITでも繊維でも関係ない。問題は、ITは成長産業であり繊維は衰退産業であるという世間のイメージであり、将来性を訴求できない繊維関連企業の経営者である。
 「繊維関連製造業は自立をしなければならない」という指摘は間違っていない。しかし、その自立したビジネスが土地を担保に銀行から借り入れて行うのであれば成功は難しい。投資家が投資したくなるようなビジネスモデルでなければならないのである。
 ITベンチャーの経営者は、業種にこだわっていない。資本家が投資したくなる業種であれば何でもいいのだ。将来の可能性が低いと思えば、次々と企業を売買していくのである。同様に、自立か下請けか、国内市場か海外市場かという問題も対した問題ではない。下請けであっても、投資家が投資したくなるような将来性を訴求できれば、何の問題もない。もちろん、国内市場でも構わない。
 すべての基本は市場から資本を集め、企業や株の市場価値を高めることである。そのために、将来性のあるビジネスモデルが必要なのだ。中国には高層ビルが建ち並んでいるが、そのほとんどは外資で建てられたものである。中国という国は、海外から資本を集めることに成功し、その資金で企業が生まれ、企業の成長が株価を高め、更なる資本を集めているのである。それこそが中国の驚異であり、中国の製造業としての技術や企業レベルは恐れるに値しない。日本の中小企業が不景気から脱しきれないのは、土地本位制にしがみつき、市場からの資本調達のノウハウを欠いているからである。
 市場からの資本調達のノウハウを欠いたまま、補助金に依存しているだけでは、将来はない。補助金を活用するのならば、企業あるいは株の価値を高め、市場から資本調達する活動にあてるべきである。それには、脱繊維を目指すのも悪くはないはずだ。国レベルでは、時代の変化とともに産業構造は変わるべきであるとしながら、既存産業を固定させるために保護するというのは、明らかに矛盾である。その政策に乗ってしまう業界は自らの可能性を狭めているのである。◆

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