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January 04, 2005

繊維産業のリコンセプト

 現在、繊維関連の製造業、卸売業等は不況業種のように扱われている。繊維関連、糸へん産業というだけで銀行は金を貸さないという声も聞く。しかし、土地を担保に銀行から借り入れを行って商売をするというスタイルそのものが現在の時代には合わなくなっている。
 ITベンチャー企業の経営者は、土地も所有していないし、銀行からの借り入れで商売しようという発想もない。彼らは、相場や為替の世界に流れている資金の方が、実態経済で使われている資金よりも大量であることを理解している。資金は余っているのだ。その余っている資金を集めるには、将来性こそが重要なポイントである。投資家に将来性があると思わせることができれば、資金が集中する仕組みになっている。

 かつては土地神話が存在した。日本の国土は狭く、土地も限られている。土地が最も信頼性があり、値下がりの可能性のない資産だと思われていたのだ。しかし、ライブドアが近鉄から球団を買収しようとしたように、圧倒的な不動産を持っている電鉄会社の事業を、株式市場への上場、M&Aで資金調達したベンチャー企業が買収するという時代が到来した。その後、西武鉄道グループの事件が発覚したが、あれも土地に関わるビジネスの一つの時代の終焉と言えるだろう。プロ野球改革の裏には、土地本位制企業と資本本位制企業との世代交代が存在するのである。
 もう一つの視点は、モノの生産・流通を基本にする企業から、情報の生産・流通を基本にする企業への転換である。
 新聞社も新聞というモノを売買する企業に留まれば、淘汰が待っている。しかし、新聞メディアに掲載されている情報をほかのメディアでも活用できるようにすることで、新たなビジネスモデルが誕生するだろう。電鉄会社も、そのネットワークやコミュニティに基づく情報を扱う事業モデルを作ることができれば、市場からの資金調達が受けられるに違いない。新たなモデルが見出せなければ、どんなに資産や不動産を持っていても、将来性がないということで資本は集まらないのだ。
 逆の言い方をすれば、資産や土地がなくても、将来性だけを感じれば投資が集中するのであり、成功しているITベンチャーの経営者はそのことを熟知しているのである。
 繊維産業も同様のアプローチが必要である。投資家に将来性をアピールしなければならない。極端なことを言えば、繊維産業、製造業というジャンルから脱することだ。組合に所属しているということさえ現在ではイメージダウンである。IT産業を見ると、扱い商品にこだわりはない。例えば、「楽天市場」は売買の仕組みをビジネス化しているのであり、扱い商品にはこだわっていない。
 繊維製品を扱っているとしても、原材料の調達、販売等の仕組みが重要である。できれば、その仕組みで繊維以外の製品を扱う方が良い。そうすれば、繊維というレッテルを剥がすことができるからだ。企画・デザインのコラボレーションという仕組みも重要である。繊維ではなく、ファッション、アートのビジネス化というコンセプト。中国経済の成長を睨めば、中国と共に成長してい仕組みを考えるのも有効だろう。
 インターネット関連企業やITベンチャーとの連携。あるいは、中国人を社員として雇用し、将来の中国市場戦略を練る。そして、そういう情報を積極的に外部に発信する。対象は銀行ではなく、投資家であることはいうまでもない。◆

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