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November 01, 2004

少食と薄着の美学

 ここ一週間ほど、半日断食を続けている。朝食を抜いて、昼食、夕食も軽くする。夕食を取ってから次の日の昼まで何も食べないというものだ。多分、それ以前の半分程度のカロリーしか取っていないと思う。そのお蔭で体重は3キロ減った。
 きっかけは、ラジオでサンプラザ中野の体験談を聞いたこと。彼と甲田光雄さんという医師の共著である「食べ方問答」という本を読んで、納得。自分も半日断食を始めたのだ。
 以前から自分が慢性の食べ過ぎ飲み過ぎであることは分かっていたが、「酒なくして何の人生」と暴飲暴食をやめることはなかった。それでも体重を減らしたいとは思っていて、運動をしようとするのだが、デブに運動はきつく、結局続かない。そもそも筋肉をつけてカロリー消費を高めるというのは、わざわざ燃費の悪い車に改造するようなもので効率が悪い。できれば、消費の少ない身体で食べ物を減らすのが最も良いと思うのだ。

 別に、格好よくなりたいから痩せたいと思っているのではない。できれば、鶴のように痩せたお爺さんになって死にたいという願望があるだけだ。以前、テレビで戦時中の捕虜生活の話を聞いた。その中で「次々と餓死する中で、痩せている人はもっと痩せてガリガリになって死ぬ。太った人は、もっと太って死ぬ」という話があった。むくんで、腹水が溜まってブヨブヨで死ぬのは本当に嫌だと心から思った。
 甲田光雄さんは著書の中で、「人類が皆少食になれば、地球上から飢餓がなくなる」と語っている。この発想は良い。燃費の悪い車を作るダイエットではなく、地球に優しいダイエットだ。
 考えてみれば、どんな動物でも常に満腹な状態を保っているというのは異常な状態である。常に軽い空腹感を感じることが普通であり、身体のコンディションも空腹な状態がベストになるように作られているに違いない。
 食の分野で、軽い空腹感が自然だとすれば、衣の分野では薄着が自然ということになる。近所の小学校では、冬でも半ズボンを奨励しているが、慣れれば案外平気なようだ。大人が半ズボンというわけにはいかないが、なるべく薄着でいるというのは悪くない。都会では、自然の寒暖よりも人工的な空調の温度差が不快であることが多い。夏は、皆が空調をかけることで気温が上昇するのであり、空調をやめればより快適になる。冬も寒い場所と暑い場所があることが不快なのだ。まず、空調をやめ、温度変化を衣服で補うようにする。その次の段階はなるべく薄着にして、身体の対応能力を高める。こうすれば、相当のエネルギーを節約することができるはずだ。
 こうした哲学の元に、年間の衣服を作りたいものだ。空調がないことを想定し、年間の最低限のワードローブを構成する。環境もことを考えれば、なるべく染色はせずに自然の色のまま着用する。リサイクル、リフォームを奨励し、ホームソーイングも普及させたい。
 こうした考え方は、あくまで生活者寄りのものであり、産業側のものではない。本当にこんな社会がくれば、経済活動は衰退していくだろう。お洒落をしたいという欲望も押さえなければならない。それでも人間が本来の自然環境な中で生活し、自分自身の免疫力や自然治癒力を高めるという姿には魅力がある。自分の悩の欲望が勝つか、自分の身体が持つ欲求が勝つか。当然、悩の方が有利だと思われるが、身体の論理に従うのも魅力的である。でも、そう考えているのも脳なのだから、何やら不可思議な感じだ。◆

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