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October 09, 2004

若者よ、どうしてそんなに良い子なの?

 ファッション専門学校の学生に、夏休みの課題として以下のレポートを提出させた。「ビジネスの野望、プライベートな野望、社会的な野望」を具体的に上げよ。それぞれの野望は何歳で達成しているか。それを実現するために、現在からそのゴール目標までを4つの段階に分けたら、それぞれの段階で何をすればいいのか。また、それぞれの段階で必要な能力、他人の協力が必要であればそれはどんな人か。「法螺でもいいから、大きいことを書け」という条件をつけた。自分のビジョンを超えることは起きないのだから、まず大きなことを考えないことには始まらないのだ。
 課題の発表を聞いて、愕然とした。「何て良い子達なんだろう」と涙がこぼれそうになった。でも、それはあまりにも世間を知らないからこその考え方なのだ。
 まず、大多数が「まず就職をして、独立資金を貯める」と答えた。これだけ就職状況が厳しい中で、就職が人生のスタートと設定している。もし、就職できなかったらどうするのか。絶望するのか。就職が厳しいのならば、就職しない選択肢も考えておくべきだろう。

 それに、普通の会社に就職して数年でお金が貯まるわけがない。生活するのがいっぱいであり、欲しいものも沢山ある。おそらく、ローンで買物をするだろうし、休暇には旅行にも行きたいだろう。それでどうやって貯金するのか。
 また、ほぼ全員が事業資金の調達という発想を全く持っていなかった。株式会社の仕組みや投資家はリターンを求めるという当然のことが分かっていない。「スポンサーを見つける」というフレーズが頻繁に出てくる。世界のどこかに、自分の才能を見いだし、お金を出してくれると思っているのだ。しかも、リターンを求めず。そんな馬鹿な・・・。
 彼らには、給料の中から貯金して、住宅ローンの頭金にするというようなサラリーマン的な発想が染みついている。おそらく、誰も「資本主義とは」「会社設立とは」「資金調達とは」「株式上場とは」といったことを教えなかったのだろう。
 独立するといって、それほど大きなことを望んでいくわけではない。「店を一軒持ちたい」「小さなアパレルを経営して、業界から注目されたい」「東京コレクションに出たい」等々。漠然とした希望はあるものの、誰も具体的な年収のビジョンがない。「一体、いくらぐらい年収が欲しいの?」と聞いても分からない。勿論、その年収を得るためには、どの程度の会社の売上が必要なのかも分かっていない。年二回のファッションショーを開催するには、いくらぐらい掛かって、その利益を売るためには、どれぐらいの売上が必要なのか、見当もついていない。
 それでいて、プライベートな生活では、「世界中を旅行したい」「豪華客船に乗りたい」「子供は二人欲しい」「幸せな家庭を築きたい」と来る。そこでも、どの程度の収入が必要なのかが分かっていない。豪華客船に乗るような人種は、給料ではなく、株式や不動産の資産からの収入を得ているというイメージさえも持っていない。勿論、資産を何億持てば、そのようなライフスタイルが実現するかも分からない。
 それなのにそれなのに「世界の困っている子供たちを助けたい」「身体の不自由なお年寄りの役に立ちたい」「黒柳徹子のようにユニセフの仕事がしたい」と言うのだ。自分が自立できないのに、どうやって困った子供を助けるのだ。お年寄りが頑張っているから、自分たちの就職の枠がないことになぜ気がつかないのだ。日本ほど、高齢者に富が集中している国もないのに。
 あまりにも幼稚で無垢で経済観念のない若者達。これで中国に勝てるのか?

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