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August 25, 2004

コーポレート・キャラクターの提案

 バブル経済の最盛期にCI(コーポレート・アイデンティティ)ブームが起きたことを記憶しているだろうか。大手企業はこぞってCIなる新たな企業のシンボルマーク及びロゴマークなどを導入し、看板や名刺、封筒、インテリアデザインに使用した。それが、顧客へのサービスになるか、あるいは利益の源泉につながるのか、という議論もしないまま、「何となくブームだから」導入した企業も多いのではないか。勿論、そのときには仰々しい企画書が存在し、コンセプトも語られたのだろうが、今となってはそんな背景など知る由もない。そもそもCIとは、事業の多角化等により、特定の事業をイメージする古い社名を変えるところからスタートしている。また、多角化、拡大する企業や企業グループの統一的な理念を表現するために導入したのである。しかし、バブルが崩壊し、多角化からリストラ、本業回帰が叫ばれると共に、CIは一層、曖昧模糊になってしまった。

 多角化した事業、拡大した事業領域を統一的に表現するという性格から、CIのシンボルマークは「抽象的な理念」がテーマになった。しかし、現在のように、「本業とは何か」「世界のオンリーワン企業になるにはどうすればいいのか」という課題を抱える企業にとって、「抽象的な理念」よりも「具体的なイメージ」が必要だろう。
 そこで、提案したいのが、「CC(コーポレート・キャラクター)」である。キャラクターは「人格」を意味する。法人の人格を明確に表現するには抽象的な幾何学的なシンボルよりも、リアルなキャラクターが向いているのではないか。また、キャラクターを設定するには、きれいごとばかりでなく、弱みや本音の部分を語る必要がある。やたらと善人のふりをする味気ないキャラクターでは面白みもないのだ。キャラクターがあれば、企業広告にも使えるし、今のCIのシンボルの部分をキャラクターに変えただけで、会社の存在がリアルになるだろう。
 また、事業部やブランドにもそれぞれのキャラクターを設定するのはどうだろうか。キャラクターを設定する段階で、顧客像、事業戦略、自社の独自性等を検討する必要が生じ、それをクリアすることで、むしろアイデンティティが際立ってくるのではないだろうか。ファッションブランドやショップであれば、キャラクターはビジネスに直結する。キャラクターに独自性があれば、ブランドの独自性も表現しやすい。小売業や卸売業から製造小売業へ転換する場合も、キャラクターが明確に設定されていれば、オリジナル商品も企画しやすいはずである。
 日本は世界の中でも、平面デザインに優れている。古くは浮世絵、現在ではアニメやゲームキャラクター等が世界的な人気を集めたという実績がある。特に、ファッションビジネスの世界では、この日本独自の平面デザインをファッションに取り入れることが、欧米ブランドとの差別化には重要な役割を果たすだろう。
 80年代に登場したキャラクターブランドは、単に当時のデザイナーズブランドの事業モデルを導入したブランドに過ぎなかった。21世紀のキャラクターブランドとは、本来の意味でのキャラクターを有するブランドである。個性に乏しく、陳腐化してしまったブランドや小売店を再建するひとつの手法として、キャラクターを活用したブランドリニューアルを提案したい。それにより、ファッション業界とグラフィックデザイン業界のコラボレーションが活発になり、新たな事業モデル開発が期待できるだろう。◆

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