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June 15, 2004

ブランドと階層社会

 一流ブランドの会社に就職したいと言ってきた学生がいた。本人はいたって真面目。彼は、どんな会社でも入社試験があり、それに受かれば入社できると考えているのだ。「日本の平等教育もここまできたか」と思ったが、彼は現実をきちんと説明されなかったに違いない。人間は平等であり、努力さえすれば誰にでも成功のチャンスは訪れると無邪気に考えているのである。
まず、新卒者が会社訪問したり、一斉に入社試験を受けるなどという光景は日本以外ではほとんど見られない。欧米では一般に経験者しか採用しない。特に、一流ブランドを扱うような企業であれば、身元の信用できる人間しか雇わないだろう。ましてや日本人を雇用することなど、余程の必要に迫られない限りありえない。ヨーロッパの企業では地元の失業者を採用せずに、外国人を採用すること自体が困難なのだ。

 また、一流ブランドを展開している企業は、世界的な勝ち組である。給与の水準も高いが、世界中に就職希望者は大勢いる。完全な買い手市場である。英語やフランス語を完全に使いこなす程度では話にならない。日本の一流企業に就職するよりもはるかに難しいのだ。何のコネクションもない人間など面接を受けるチャンスさえ与えられないだろう。
 仮に、語学が堪能だったり、外資系企業に勤務した経験がある人が日本法人に採用されたとしても、ヨーロッパの本社にとってはローカル採用のスタッフに過ぎず、経営に関わる重要な意思決定に参加するチャンスなど皆無に違いない。
 世界は平等ではない。確固とした階層が存在する。ブランド商品を購入することは簡単だが、ブランドが象徴するソサイアティに所属することは困難である。
 ビジネスも同様だ。品質の良い商品を作ることは可能でも、すぐに一流ブランドになるわけではない。補助金でパリコレに出て一流ブランドになることを計画した人がいるそうだが、そんなに簡単に一流ブランドができるのならば、誰も苦労はしないだろう。
 一流ブランドの世界とは凄まじい利権の世界であり、一部の特権階級が牛耳っている。そこに食い込むことは、自分を特権階級に所属させることを意味する。これは、努力や才能だけでは不可能である。
 世界には貧困から這い上がり、大金持ちを目指す人が数えきれないほど存在する。そのために犯罪を犯す人も珍しくはない。また、頭の良い人、才能のある人であっても、貧しいためにチャンスを与えられない人がどれほどいるだろうか。
 チャンスを得るために、海外に移住する人も多い。最初は良い仕事に就けないが、それでも努力して、子供を良い学校に入れる。その子供が成長し、一世の人よりも上の社会的地位を獲得する。その子供にも一生懸命教育をして、少しでも上の地位を獲得させる。このように何世代かを経て、ようやく市民権を獲得し、社会的な地位を獲得していくのである。
 好きだから、嫌いだから、というような理由で仕事を選ぶのとは次元が異なるのだ。そして、こうした人々は世界中にゴマンといるのである。
 世界の中で日本人は有利なポジションにいると言っていいだろう。自分で起業することもできるし、どの国にも自由に行ける。こうしたチャンスを活かして、できることを一生懸命行い、一つずつステージを上ることこそ重要なのである。◆

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