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January 08, 2019

ブラック企業という概念は、どのように生れたか j-fashion journal(289)

1.サラリーマンと職人

 今は、サラリーマンになることが当たり前の時代だが、1950年代はサラリーマンはエリートだった。サラリーマンのイメージは、背広を着て鞄を持って会社に行く姿だ。小学校に上がったばかりの私の記憶では、近所で見かける背広の後ろ姿はとてもカッコ良かった。
 私は東京墨田区の生れだが、ほとんどの家のお父さんは中小企業の経営か、中小企業の下請けか、中小企業で働く商人か職人だった。
 今でこそ「職人」はほめ言葉だが、当時の「職人」いう呼称はどちらかと言えば蔑称に近く、職人と呼ばれるのを嫌った人も多かった。手に職をつけた職人は、働き口に困らなかったし、条件の良い勤め先が見つかれば転々と勤め先を替える、その日暮らしの人が多かったからだ。
 サラリーマンになるには、大学を卒業し、大企業に就職しなければならなかった。そうすれば、月々決まった給料を受け取れる。終身雇用なので、定年まで一つの会社に勤めることができる。

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二巡目の青春をどう生きるか? j-fashion journal(288)

1.定年は、個人生活の始まり

 学校に行く前は親に従い、学校では先生に従う。就職したら上司に従い、昇進しても組織の論理に従う。結婚すると、多くの男性は奥さんに従う。日本人男性のほとんどは、誰かに従う人生を過ごしてきた。
 目標も自動的に設定されていた。勉強するのは、良い学校に入るため。次は、良い会社に就職することが目標となる。就職後は、出世することが目標。更に、年間売上目標や月別の目標が設定される。目標を自分で考える必要はなかった。常に路線は敷かれていたし、期待の通りに行動すれば良かったのだ。
 定年を迎え、会社から解放された途端、誰も指示してくれないし、目標もなくなる。そして、「何もやることがない」「何をやっていいのか分からない」「趣味がない」という悩みを抱える。
 仕事をしている時には、時間ができたら「本を読みたい」「映画をみたい」「旅行に行きたい」などと思っていても、実際に仕事がなくなると、それらの意欲もなくなる。仕事があるから、余暇がある。余暇にやりたいことは、仕事の合間にやりたいことだ。仕事がなくなると、余暇への欲求もなくなる。
 定年を迎えるとは、個人に戻ることだ。個人の目標を設定し、個人の生活が始まる。
 

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AI時代のファッションビジネス j-fashion journal(287)

1.ファッションの仕事が変わる

 世間では「AIブーム」らしい。実際、ベンチャー企業は「AIやってます」というと、お金が集まるとか。
 人間とAIのどちらが優秀かは、ケースバイケースだろう。しかし、AIブームの現在、人間のコンサルの意見より、AIを活用して導き出された意見の方が信頼されるに違いない。そんな風潮である。
 ファッションビジネスにおいて、どんな場面でのAI活用が考えられるだろうか。
 店頭販売においては、たとえば、顔認証とデータベースを連携すれば、販売員の持つタブレットにその情報を表示することができる。過去の買物履歴が分かれば、より効果的な接客ができるだろう。また、AIによるリコメンドサービスができれば、人間の販売員がお勧めするより信頼性が高まるかもしれない。
 更に、店頭販売情報がクラウドに蓄積されれば、AIが自動的に店間移動や商品発注が行うことができる。
 VMDにおいても、在庫状況によってAIが最適な商品のレイアウトを教えてくれるかもしれない。
 ネット販売では、更にAIの活躍が期待される。アマゾンで買物をしている人は、過去の購買履歴や閲覧履歴に基づいた広告が表示されるのを経験しているだろう。
 また、最近では問い合わせにチャットを使っているケースが増えているが、24時間体制で対応するには、AIの支援が欠かせない。
 

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セラピースクリーンの提案 j-fashion journal(286)

1.季節感を演出する生活空間の喪失

 日本人が落ち着く空間とは、どんなものだろう。農村の民家か。あるいは、京都の寺院だろうか。
 若い世代の中には、コンクリートの打ちっぱなしやガラスで囲まれたモダンな空間を好む人もいるかもしれない。しかし、年齢を重ねるほどに、日本の自然、日本建築に惹かれる人が多くなるのではないか。
 日本建築は、「木と紙と土」でできた建物と、庭で構成される。庭は自然を取り入れ、季節感を感じさせる。建物も素材の色や質感をそのまま活かしている。非日常空間を演出する寺院建築等は、木に彩色したり、漆を塗ることもあるが、それは特殊な事例だ。
 多くの日本人の生活空間は自然の素材と色で構成されていた。唯一、季節を演出する空間として組み込まれたのが「床の間」だ。自然の素材の中で、床の間という特殊な空間に「掛け軸」と「活け花」で季節を演出した。

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パーソナルWEBショップ j-fashion journal(285)

1.リアルなコトのカタログ

 シニア世代のみなさん、欲しい商品はありますか?というより、欲しい商品が見つかりますか?
 「モノを欲する」ことは、「どんなことがしたいか」に由来します。「どんなことをしたいか」がないと、モノは欲しくありません。それでも、生活している以上、モノは必要です。必要なモノを購入するという行為には、心が動きません。買物は労働になります。
 「買物が楽しい」と感じるのは、買い求めたモノを使ったコトを想像するからです。想像しても何の感動もないのであれば、モノなんて何でもいいし、何でもいいのなら安ければいい、ということになります。
 良い商品を安く作るという思想からは、感動のない商品が生れます。それがコモディティ化です。
 最初に、ワクワクするコトがあり、それの準備でモノを揃える。モノが揃ったら、さぁ、ワクワクするコトの始まりです。

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ハッカソンのようなネットショップ開発はできないか?

1.ハッカソンって何?

 ハッカソンはハック(hack )とマラソン(marathon )を合成した言葉。OpenBSDの開発者やサン・マイクロシステムズのマーケティングチームによって、自主的に考えだされたものだ。
 ハッカソンは、イベントの主題に関する1つもしくは複数のプレゼンテーションで始まる。その後、参加者達は個々の関心ごとや技能に基づきアイデアを出したりチームを結成する。ハッカソンの作業は数時間から数日間続く。長時間に及ぶ場合には、ピザや栄養ドリンクで軽い食事をする。寝る時も寝袋などで雑魚寝する。
 最終的には、チームごとの結果を示したデモンストレーションが行われる。コンテスト形式の場合は、審査員が優勝チームを選出し賞を授与する。
 好きなものが一カ所に集まって、寝食を共にしながら、一つのテーマについて集中的に議論し作業を進めまとめ上げる。仲間同士が合宿して集中的に仕事するというイメージに近い。
 

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January 07, 2019

アパレルの変遷と今後の方向性 j-fashion journal(283)

1.単品売場と単品アパレル

 生産する側からすると、単一アイテムに絞って生産したい。パンツ工場は、パンツに特化したミシンや設備を導入するので、パンツだけを縫製したい。ブラウスもジャケットも同様である。
 アパレル企業も単品に特化した方が楽だ。生地もアイテムによって異なる。パンツに絞れば、パンツに適した生地だけを仕入れればいいし、生地が絞れれば、産地や機屋を絞ることも可能だからだ。勿論、ボタンやファスナーなども、アイテムを絞った方が無駄がない。
 モノ不足の時代は、生産者志向だった。とにかく、商品を調達して、消費者に提供することが小売業の使命だった。仕入れやすい売場は、単品売場である。アパレルも単品別なので、パンツ売場の仕入れ担当者は、パンツアパレルだけ回ればいいのだ。
 単品別売場の時代、アイテムによって定番カラーが決まっていた。ブラウスは薄い色、アウターやボトムは濃色、セーターは比較的明るい色。それぞれを組み合わせれば、何となくさまになるが、個性的なコーディネートは難しいという時代だ。
 

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フォーマル競馬イベントの提案 j-fashion journal(282)

1.競馬クラッシックデー

 競馬発祥の国イギリスでは、競馬を「スポーツ・オブ・キングス (Sport of Kings)」と形容する。王侯貴族等によって近代競馬が形成された歴史ゆえだ。
 特定の日を「競馬クラッシックデー」と定め、フォーマルウェアで集うイベントができないだろうか。
 最近は、競馬のイメージも少しずつ上がってきた。それでも戦後の貧しいイメージを引きずっている。競馬場と言うと、競馬新聞と赤鉛筆を持っているオジサンのイメージだ。競馬を楽しむ人々の高齢化も気になる。このままでは競馬という文化を後世に残せるかも疑問だ。
 競馬のイメージを再構築し、競馬を上品な大人の遊びに戻すことが重要ではないだろうか。
 それには競馬のルーツに戻り、優雅で貴族的なムードを復活させたいと思う。
 ファッション業界にとっても、ドレスアップする場、大人の社交場が生れることは、新たな市場創造を意味する。競馬業界とファッション業界の双方にとって、WIN-WINの関係が構築できるだろう。

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サスティナブルなブランドの提案 j-fashion journal(281)

1.古いほど価値が出る商品

 ビンテージのリーバイス501の価値を見出したのは、日本の古着屋だ。その昔、アメリカの古着の取引は「1トンあたりいくら」という取引だった。日本でリーバイス501の古着が高値で取引されるようになり、アメリカでもリーバイスは分別されるようになった。そして、世界中で、リーバイスのビンテージに高値がつくようになった。
 日本人は歴史的に、古いモノの価値を見出すのが得意だ。戦国時代は、中国や朝鮮半島で日常雑器として使われた陶磁器を千利休などの茶人が目利きとして、高額な茶器として取引された。
 二つの事例に共通しているのは、日常のモノであること。古いから価値が出ると思われていなかったこと。それを一部の目利きが価値を見出し、価格を設定し、市場を創造したことである。
 価値が定まった骨董品は、最も安定した投資商品でもある。限定された商品であり、値上がりが期待できるし、欲しい人がいる限り、価格が下がる危険性も少ない。
 もし、使えば使うほど価値が上がる商品があるとすれば、その商品が高額であっても投資として購入するだろう。
 アパレルの分野でそんな商品はできないだろうか。
 

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July 14, 2018

ファッションで企業を救えるか? j-fashion journal(280)

1.プロダクトデザインとファッションデザインの違い

 プロダクトデザインは、未来志向のデザインが多い。勿論、その時代で感じる未来感は異なるが、常に新しさを訴求していることに違いはない。
 ファッションは常に変化を求められる。しかし、プロダクト的な新しさを追求したのでは、すぐに行き詰まってしまう。ファッションの変化はプロダクトよりはるかに早い。また、情報として消費されるのも早い。プロダクト的なアプローチでは追いつかないのだ。
 プロダクトは、常に基本形からスタートする。球、円筒、立方体や長方体、円錐などなど。また、直線的に向いたり、流線的な曲線に向いたりする。
 素材は、金属やプラスチック、セラミック、木材等々、比較的固いものを使うことが多い。
 アパレルデザインは、プロダクトデザインのようなアプローチも可能である。違いは、素材が柔らかいテキスタイル中心であることと、着用時は、人体を基本にしていることだ。

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«高級テキスタイルのプロモーションショー j-fashion journal(279)