May 03, 2012

j-fashion journal(10) 「量販店と大型専門店チェーン」

「量販店と大型専門店チェーン」

1.セルフサービスに魅せられた量販店

 スーパーマーケットのルーツは「キングカレン」である。1930年、ニューヨークでマイケル・カレン(Michael Kullen)が、スーパーマーケットの「キング・カレン(King Kullen)」を開店した。カレンは、自分が働いていたチェーンストアがもはや消費者の味方ではなくなったことを痛感し、新業態を提案したが受け入れられず、独立を決意したのである。
 カレンは、「世界一の価格破壊者(The World‘s Most Daring Price Wrecker)」をスローガンに、セルフサービスを導入し、人件費を節約、現金払いの持ち帰り(Cash and Carry)によって金利と配送費を削った。低マージン商品を組み合わせ驚異的な低価格を実現し、彼の食品スーパーは大成功を収めた。

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j-fashion journal(12) 「脳消費の時代」

「脳消費の時代」

1.なぜ、モノが売れないのか?
 モノが売れない原因は二つある。第一に、モノを買わないこと。第二に、小売店を経由して買わないこと。小売店にとって、小売店を経由して買わないことは売れないということだ。
 「モノを買わない」という事例は、我々の周囲にいくらでも見られる。通勤電車の中を見ても、以前は週刊誌、新聞、マンガ雑誌、文庫本等を読んでいた人が多かった。しかし、現在では、ゲーム機、携帯を見つめている人が多い。ゲーム、音楽、画像、メール、SNS等を楽しんでいるのだ。反面、出版社や新聞社の売上は大幅に下落している。
 携帯やゲーム機の怖さは、細切れの生活時間を次々と埋めていくことだ。仕事や勉強、食事、入浴やトイレ、通勤や移動時間の隙間に携帯が割り込んでくる。 携帯やゲームがなかった頃は、街をブラブラ歩いたり、歩きながらいろいろと空想する時間があった。少なくとも街に出る時間があり、そこでいろいろなモノを目にしていた。しかし、街を歩きながら携帯をチェックしているのでは、ウインドーショッピングなどあり得ない。おそらく、ウインドーディスプレーの効果も減少しているだろう。

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j-fashion journal(11)「海外展示会出展からビジネスに結びつける方法」

「海外展示会出展からビジネスに結びつける方法」

1.海外展示会に出展してもビジネスができない理由

 海外展示会に出展しても、いつまで経ってもビジネスにつながらないという嘆きは少なくない。一方で、展示会に出展しなくても、積極的にビジネスを進めている会社もある。一体何が違うのか。展示会出展からビジネスへつなげるにはどうしたらいいのか。
 まず、海外展示会に出展してもビジネスにつながらない理由を考えてみよう。 第一の理由は、「展示会への集客ができない」ことである。言い方を変えれば、展示会の集客力に依存しているのだ。
 こう言うと、「展示会は集客装置であり、出展すれば取引先と出会えるから価値があるのではないか」という反論が来るに違いない。しかし、広大な展示会会場で名前も知らない出展者ブースの中に入り、探している商品が見つかるというのは偶然のようなものだ。仮に欲しい商品が見つかったとしても、その会社が信用のおける会社で、そのサンプルが、本当にそのメーカーで生産されたものであるかどうかも分からない。そんな環境で、ビジネスが成立するのは偶然の偶然に過ぎない。

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April 23, 2012

日本ファッション協会・シナジープランニング共催「ファッションビジネス創造ワークショップ」

日本ファッション協会・シナジープランニング共催ワークショップ

「ファッションビジネス創造ワークショップ」全6回

[ワークショップって何?]:ワークショップとは一方通行のセミナーとは異なり、みなさんにも参加していただきながら、協働、協創することを目的としています。ファシリテーターは、その場を作り、ワークショップの進行を行います。通常、ファシリテーターは自分の意見を言わないのですが、私の場合は自分の意見も挟みながら進行することになると思います。気軽にかつ真剣にファッションについて、ファッションビジネスについて話し合いましょう。そして、次のアクションにつなげましょう。
 
[対象]:現在のファッション状況に危機感を感じている方、もっと創造的なファッションビジネスを目指そうとしている方、ファッション業界に不安と憧れを抱いている方。

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April 02, 2012

j-fashion journal(9)「新時代のビジネス発想」

「新時代のビジネス発想」

1.「変わらないこと」と「変わること」

 私は今年55歳になる。私が使っていた小中学校の教科書には「日本人は勤勉だ
から経済成長を実現した」「日本は資源のない国なので原料を輸入して製品を輸
出する加工貿易をしなければならない」とあった。大人になるにつれ、戦後の経
済成長は「日本人の勤勉さ」だけがもたらしたものではないことを知った。占領
国だったアメリカの対日政策が大きく影響していたのである。
 アメリカは戦後の日本にアジアにおける反共の防波堤としての役割を与えた。
そのためには、日本を経済的に自立させることが必要であり、アメリカ国内市場
を積極的に開放し、為替を円安で安定させた。

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j-fashion journal(8) 「脱日入亜のファッションビジネスモデルを構築しよう」

「脱日入亜のファッションビジネスモデルを構築しよう」

1.日本人消費者は我慢している

 ファッションに限らず、日本の小売流通ビジネスは未だに「一億総中流」を基本にしている。確かに、これまでの成功事例は大衆市場への対応だった。高額な高級品は淘汰され、最終的に価格訴求の商品だけが生き残った。
 しかし、高級品消費が消えたわけではない。その需要は、欧米のブランド商品が吸収したのだ。
 一方で、実用品、コモディティ商品は、大型専門店チェーン、量販店PB、ディスカウント店等が市場シェアを伸ばしている。その多くは、中国製品であり、最重要ポイントは価格だ。実用品、コモディティだけを見ていると、一億総中流市場は健在に見えるが、果たしてそうだろうか。

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j-fashion journal(7)「グローバル人材の育成」

「グローバル人材の育成」

(1)繊維ファッション業界のグローバルビジネス

 明治以降、日本は輸出によって経済発展をなし遂げた。特に、繊維製品は最も早く海外市場に浸透し、商社も世界中に販売ネットワークを構築した。
 しかし、1971年に日米繊維交渉が決裂し、アメリカからの圧力により日本政府は繊維製品の対米輸出を自主規制する。
 加えて、1973年、79年の二度の石油ショック、1985年のプラザ合意以降の円高の進行等により、大手紡績や合繊メーカーは、次々と生産拠点を海外(東南アジア、南米、中国等)に移転した。 

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March 18, 2012

j-fashion journal(6)「きもの生活復権を考える」

「きもの生活復権を考える」

(1)「洋服」と「キモノ」

 キモノは、日本の民族衣装である。日本の歴史、風土、美意識が育んできた日本精神の結晶だ。
 現在、多くの日本人は、当たり前のように洋服を着ている。しかし、洋服の本質を知る人は少ない。「なぜ日本人は洋服を着ているのか」「洋服とは何か」「どのように洋服の形は成立したのか」「美しい洋服とは何か」「身体と服の関係性とは」等々の疑問に答えられる人はどれほどいるのだろうか。
 私は文化服装学院で洋裁やファッションデザインを学んだ。一般の人よりも、服装史や民族衣装に関する知識もある。それでも「洋服について、どれだけ知っているのか」と問われれば不安な気分になる。

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March 10, 2012

j-fashion journal(5)「日本経済再生は『現場力』向上から」

「日本経済再生は『現場力』向上から」

(1)日本の高度経済成長は「現場力」が基盤だった

 明治維新後、日本が急激に近代国家に脱皮できたのは、生糸や織物の輸出による外貨獲得である。開国してから短期間に、世界市場を席巻できたのは、きもので培われたテキスタイルのデザイン力と技術力の基盤があったからだ。
 そして、第二次世界大戦後の復興をなし遂げたのは、ブリキ玩具から始まり、家電、自動車へと発展した中小企業集積による高い技術力が基盤となっている。勿論、「日本株式会社」と言われた通産省と企業との官民共同体の成果は大きいが、それも中小企業の高い技術力があったからだろう。

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March 04, 2012

j-fashion journal(4)「グローバルビジネスの常識でファッションビジネスを考え直す」

「グローバルビジネスの常識でファッションビジネスを考え直す」

(1)日本の政治、日本の企業は、なぜダメになったのか?

 高度経済成長時代の日本企業の強さの源は「日本式経営」だった。日本式経営は、「終身雇用」「年功序列」が基本である。終身雇用を保証することで、社員は企業に強い忠誠心を持つことができた。また、年功序列給制度なので、将来は確実に現在より高い報酬が約束されている。今は辛くても、将来生活が楽になるという保証がなされていたのである。
 その保証によって、日本のサラリーマンは、安心してマイホーム、マイカーを購入した。国内市場は成長し、企業も成長した。

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