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November 28, 2016

ブランディングを軸とした商品企画手法 j-fashion journal(224)

1.マーケティングとブランディング

 「マーケティング」は、「大量生産した商品をいかに販売するか」という課題から生まれた。初期のマーケティングは、広告宣伝が中心だった。「どんな広告をすれば、競合商品と差別化できるか」という視点である。
 その後、チェーンストア理論が確立し、規格化された店舗を多店舗展開することが、マーケティングの主流になっていった。
 やがて、需給バランスが逆転し、「作れば売れる時代」から、「売れるものを作る時代」へと変わった。この時点で、「マーケティングは市場調査」と理解されるようになった。市場調査で顧客ニーズを確認し、それに見合った商品を企画生産するという考え方である。
 しかし、市場調査を基本にした企画生産では「商品の同質化」に陥ることが多い。同じ情報から生まれる商品は同じような商品になるからだ。

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プロ意識を育てる j-fashion journal(223)

1.上手いアマチュアと下手なプロフェッショナル

 プロ意識とは技術の上手、下手ではない。上手いアマチュアは多いし、下手なプロもいる。あくまで意識の問題だ。
 プロ意識とは、職業意識である。職業とは、仕事をして報酬を受け取るということ。自分の仕事が社会や会社の中で利益をあげ、その配分を受け取るという感覚である。自分の仕事がなければ、ビジネスは回らない。自分の仕事のボジションと責任を正確に理解し、使命感を持って仕事をする。
 これはアルバイトのような時給感覚ではない。自分の時間を仕事に充てて、時間と引き換えに報酬を受け取るという発想では、仕事の内容に思いが至らない。これはプロ意識とは異なるものだ。
 これまで日本国内の企業組織では、プロ意識は必要とされなかった。終身雇用、年功序列という制度は、企業への忠誠心をベースにした団体主義の制度である。

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November 19, 2016

多層構造衣服の可能性 j-fashion journal(222)

1.革靴からスニーカーへ

 かつて、靴と言えば革靴だった。革が高価なので、革の代わりに綿のキャンパス地を使ったのがズック靴だ。
 現在のスニーカーは多層構造である。表生地、、ウレタンフォーム、裏地、インソール、プラスチックやシリコン、ゴム、金属などのパーツで構成されている。
 多層構造にすることにより、スニーカーは様々な機能を付加され、専門的な用途に対応できるようになった。
 一枚の革を曲げたり、伸ばしたりしながら、立体に加工していく技術と、薄くて柔らかいパーツを重ねて作る技術は全く異なる。そもそもモノ作りの発想が正反対なのだ。
 衣服で言えば、テーラードジャケットとドレスの違いに似ている。テーラードジャケットが固い生地を裁断し、イセたり、伸ばしたりして立体に構成するのに対し、ドレスは人体の上に生地を重ねていく。
 但し、ドレスはスニーカーのように機能を付加するために生地を重ねたのではない。あくまで美しい女性のボディを生かすために、薄い布を重ね、布の流れで装飾したに過ぎない。

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阪急電車のシート生地で作ったソファが欲しい! j-fashion journal(221)

1.テキスタイルメーカーは最終製品を手掛けるべきだ!

 テキスタイルは中間素材だ。テキスタイルをアパレル製品やインテリア製品に加工して最終製品となる。最終製品にならないと、消費者と直接コミュニケーションを取ることができない。
 消費者と接点を持たなければ、消費者の意識に興味を持つこともない。また、生機(きばた)を納品するだけで、染色に触れなければ、トレンドカラーに興味を持つこともない。オリジナル商品の企画をしなければ、市場でどんな商品が売れているか、ということにも興味は湧かない。言われた通りに生産して、納品すればいいのだから。
 消費者との接点を持つことは、メーカーが自立する第一歩である。また、ブランディングを考えるスタートとも言える。
 しかし、テキスタイルメーカーは、製品を手掛けることをリスクと考える。アパレルの人間から見れば、機屋の設備投資や原材料の仕入れの方が余程リスクである。それぞれの立場によってリスクの概念は異なるし、リスク回避の方法も異なる。

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October 11, 2016

ライセンス生産による中国市場戦略のすすめ j-fashion journal(220)

1.日本企業の製品が大量に横流しされる

 中国で話題になっている事件がある。日本のマスコミでは報道されていないが、中国のネット上で大きな話題になっている。
 日本のM社の商品が大量に横流しされているというものだ。「そんな話は珍しくない」と言う人もいるだろう。小さい工場が目先の利益に目が眩んで、横流しするという事件は日常茶飯事だ。
 しかし、今回の事件は規模が大きい。中国でも有名なOEM工場が仲間と結託して、組織的かつ大量に商品を横流ししたのだ。
 一説には、受注の10倍以上の商品を生産し、転売したという。この問題が複雑なのは、これらの商品が本物と同じであること。原材料の調達も工場も本物と変わらない。織ネーム、下げ札等も本物と同じものを生産して付けているからだ。

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メイドインジャパンブームと国内製造業の危機 j-fashion journal(219)

1.日本の製造業の強みとは?

 日本の製造業の強みとは何か。
 第一に上げられるのは、機械である。特に、マザーマシンと呼ばれる機械の作るための機械の技術は素晴らしい。
 繊維関連でも、ニット編機の島精機や工業用ミシンのジューキ等は世界でもトップクラスの技術力を誇っている。
 第二は、素材である。代表的なものとしては、合繊、綿糸が上げられる。そして、合繊メーカーや紡績から派生したフィルム、炭素繊維、ナノテク素材等は世界をリードしている。
 第三は、優れた部品である。他社にはできない工夫と精度の高さ。日本製の部品がなければ、成立しない機械が数多く存在する。
 繊維関連で言えば、YKKのファスナーは世界でも圧倒的なシェアを占めている。

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October 10, 2016

パターンを軸としたアパレル企画コンサルティング j-fashion journal(218)

1.パターンの重要性

 イタリアではモデリストをシェフに例える。シェフは食材を選び、メニューを決め、レシピを考え、調理をして、盛りつける。全ての工程を一人で行う。
 ファッションで言えば、クチュリエに相当する仕事だ。クチュリエとは、オートクチュールのデザイナーであり、仕立工房の親方である。お針子から修行し、型紙、デザインを担うようになる。最終的には、顧客と話し合い、デザインを提案し、職人チームを指揮して、作品を仕上げる。
 オートクチュールからプレタポルテになり、クチュリエの仕事は、スティリストとモデリストへと分かれた。スティリストは、生地を選び、デザインを行う。モデリストは、スティリストのデザインを立体にするためのパターンを制作し、縫製仕様を決定し、縫製工場とやりとりをしながらアパレル製品を完成させる。
 多くの場合、ステリィストは才能あふれる若い世代が多く、モデリストは技術を積み重ねたベテランが多い。どんなデザインが出てきても、そのブランドにあった服に仕上げるのがモデリストの役割である。

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生き甲斐マーケティング j-fashion journal(217)

1.多様化する生き甲斐

 あなたの人生の目的は何か。昔は、世間が人生の目的を与えてくれた。学校で良い成績を取って、良い企業に就職して、結婚して、家庭を持ち、マイホームを建て、車を持ち、子供を教育し、成人させ、定年まで一生懸命に働いて、退職金をもらって、悠々自適の生活を送る。そんな人生コースが漠然と見えていた。それが幸せなことなんだと思えた。
 しかし、終身雇用が崩壊し、個人と企業の関係も崩れた。一部の大手企業や公務員は例外だが、一般の企業に勤めている会社員は定年まで働ける保証はない。
 私が驚愕したのは、「入社して働いたら負けだ」という言葉だった。なるべく働かない。一度、正社員で入社してしまえば、解雇されることはない。安定した給料をもらいながら、いかに自分の自由な時間を確保するかを優先するか、が重要だというのだ。ある意味、見事なライフワークバランスである。

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August 16, 2016

オタクをファッションにできるか? j-fashion journal(216)

1.「オタク」はほめ言葉になった

 日本で「オタク」と聞くと、どこか一般人とは異なる変わり者というイメージがある。ヨーロッパで会った日本マニアの外国人は「私はオタクです」と胸を張った。彼らが語る「オタク」には、「一つのことに集中して興味を持つ純粋な人」という意味があり、尊敬に値するというニュアンスが含まれている。
 最近は、オタク的な趣味や嗜好が市民権を得ている。その理由は、就職しても、会社の付き合い等に時間を取られることが少なくなったこと、独身者が多いために、異性や配偶者に時間を取られることが少なくなったことが考えられるのではないか。
 自分の時間が増え、少年少女の頃から続いている興味や趣味を継続することが一般的になり、互いにそれを認める環境が整ってきたのである。
 かつては、子供の頃に好きだったアニメやマンガ、ゲームを大人になっても熱中することは恥ずかしいこととされた。子供のままでいることは恥ずかしい。大人は「大人として社会的に認知される行動をするべき」という価値観が支配的だったからだ。

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アパレルがファッションでなくなった年 j-fashion journal(215)

1.ファッションとは何か?

 私なりに「ファッション」を再定義してみた。これまでの、ファッションは流行、ファッションはラライフスタイルという定義には違和感を覚えていたからだ。

 私の「ファッション」の定義は以下のようなものだ。
 「ファッション」とは、「革新(イノベーション)とデザインにより、人々のライフスタイルに動き(ムーブメント)をもたらすモノやコト」の総称である。
 
 大昔、ショルダーフォンが出た時、真っ先に使った人や用例を紹介したメディアは、人々のライフスタイルに変化を与えた。当時のショルダーフォンはファッションだった。しかし、それが定着した段階でファッションではなく、単なる機能商品になった。
 携帯電話が小型化し、デザインバリエーションが増え、シーズン毎に新作が出るようになって、ケータイはファッションになった。現在はスマホがファッションであり、ガラケーはファッションの要素が減少している。

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«シニアが持つビジネスチャンスを若者世代に j-fashion journal(210)